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館林へ歌いに 2

お知らせ



暮らしてる場所にお邪魔するとき「ボランティア演奏」と言うことにしています。”慰問”という言葉はどこか失礼に感じるからです。

3~40人の、小さな介護施設で、夕方16:30から演奏しました。リハーサルを終えると、少しずつおじいちゃん・おばあちゃんたちが集まってきて、「さっきの曲知ってるわ~」とか言いながら、ほんのりウキウキしています。唱歌と歌謡、合わせて10曲。約30分の演奏です。

「こんにちは!今日は東京から歌いに来ました。これから30分間ほど、皆さんと歌います、楽しい時間を過ごしましょう!」まずは拍手の練習などをして少しずつ緊張を解いていきます。

演奏に入ると、しっとりした曲では目をつぶって聞き入ったり、アップテンポの歌謡では手拍子して一緒に歌ったり、思っていた以上に皆さんが一緒に楽しんでくれていました。

”歌に聞き入る、私のグランマ!” 父母も見に来た。

間におしゃべりを挟みながら進んだステージも、1曲1曲が短いので30分ほどで終了。すると施設の介護士さんが「みなさん、リクエストはありますか~??」と、煽ります!すかさず、一番後ろにいたおじいちゃんが「ハワイ航路!もう一回やって!!」と食い気味で手を挙げる!! リクエストがくるなんて想定していなかったので、ビックリした。嬉しいので、もう一度「憧れのハワイ航路」という曲を演奏することにしました。施設には色んな年代の人がいる。でも、サビになると半分以上の人が、大きな声で、こちらを見ながら「私も得意よ!!」と言わんばかりに歌っている!

そんな賑やかな雰囲気で、名残惜しく演奏を終えました。「ありがとう~!」「また来てね~!」とエールをくれる人の声に、4人で深くお辞儀をしました。

演奏が終わってすぐ、私のおばあちゃんのところへ行くと、私の顔見るなり手を振ってくれた。「おばあちゃん、今日は私が演奏したのよ?わかる??」「アッコチャン!」。以前よりもだいぶ体力が落ちて、笑顔も減ってしまったけど、私のことはわかってる。「生演奏、ノれた?」と聞くと「うん」って言ってました。笑

機材の片付けが終わって帰るとき、施設の方が「一日ずっと機嫌が悪かったおばあちゃんがいたのだけど、さっきね、”月1回くらい来てくれたらいいのにね♪”って、上機嫌でお部屋に帰って行ったんですよ!」と話してくれました。4人とも、凄く嬉しかった。そして、何より、合奏したり歌うことが楽しかった。それで誰かが喜んでくれたら、更に嬉しいに決まってる!

帰りの車中も、本番のときの楽しい話を皆が振り返っていました。日帰り旅だったのですが、超濃密な時間だったなあ。皆で今朝出発したのに、「浦島太郎」のような気分で東京に(大阪に)戻ったのでした。