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生活の中にある
「アントニオ・ロペス見に行ったら、きっと音楽を続けていく上でヒントを感じられるかもよ?」と、ひとに勧められて、渋谷bunkamuraの展示を見に行った。
(絵の知識は殆どないので、うんちくは書けません)
勧めてくれた理由は「アーティストが個性(毒)を持つとか、”普通”を避けたりとか、自分が何か大きな仕事をして後世に残すとかと、意図してない感じが素敵だった」のだそう。
平日の昼間で空いていて、展示をひとり、ゆっくりと見ることができた。ラッキー。
作品は、家族や知り合い、植物や、暮らしてる街の景色、家の冷蔵庫やトイレなど、暮らしの行動範囲の中にあるものをモチーフにしていて、さりげないものばかり。でも、人の気配を感じるほど、空気?温度?があって。
自分の日常と非日常を分けずに、生活の中で作品を作っていることが伝わってくる。
”リアリズム”のアーティストだと書かれていたけど、写真かと思うほど見たままを忠実に描かれた絵とか、・・・こう書くと「じゃ、写真でいいじゃん?」「見たままじゃつまらないじゃないか」なんて言いたくなりそうでしょう?? でも、涙で目がうるうるしちゃうほど、ステキだった!!!(特に夕方の街の景色を描いた絵が、うるうるした!)
「ああ、この人はこの景色をいつも見て暮らしてきてて、愛着持ってるんだな・・・。けど自分にも、日常にいっぱいそういう愛着あるシーンや物があるよなぁ・・・部屋の切花とか、食器とか、ベランダの前の川辺とか、好きな人や、料理や、、そういう”普通”を、アーティストとなると、どこか個人的過ぎてメインに持ってきちゃいけない気がしていたのではないかしら?」なんて。
普段暮らしていて、すごくさりげない時にやってくる感動シーンを、忠実にその感動ごと伝えるための「写真のような忠実さ」なのか!(そこに変な工夫とか、オリジナルさとか入れないから、この温度が伝わるんだ~!!)と、気づいたときの驚きたるや。
ステキな音楽に出会ったときのように、帰ってからもしばらく、見た絵がぐるぐるしていたのでした。
生活の中の好きなものを大切にしたいなあ。愛おしいな。