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大学病院の待合所
夕方から咳が止まらず、息を吸うタイミングが難しいほどだったので、近くの大学病院の救急外来へ行った。風邪の延長?か先週末から具合が悪くて、風邪薬を貰ったら余計ひどくなっていくので、まさかと思ったら喘息になってた!!
大学病院の外来は、救急車で運ばれてきた人がいたり忙しそうだったけど、帰るまでに3時間半もかかった!すごいな。待っている間にピークが行ったり来たりしながら、ぼーっと座っていると、色々な人がくる。
「風邪で熱がある」という外国人の人は、随分と待たされてやっと案内されたのだけど、その間中ずっと向こうのことばで独り言を言っていた。(気持ちはわかる)
「急にご飯を食べるときにこぼすようになって、そしたら熱もあって」と慌てて先生に説明する奥さんと、静かに車いすに乗ってやってきた白髪のご主人の老夫婦は、脳神経科。でも、どうも大事ではなかったみたいでよかった。家でご主人を介護しているから、奥さんがこの小さな変化に気づいたのだろうな。
待合のベンチで待っている間のこの老夫婦のやりとりに、すごく愛を感じた。奥さんが「○○さん、さっきは何階で検査してきたの?」と本当にこの人の脳は大丈夫なのか?と声をかけて試す。すると、ご主人は、しばらく間をおいて「2階だよ」と言う。それはどうも正解したのだが、反応の遅さにイライラする奥さん、「聞こえてるんでしょ?」。洋式トイレを発見した奥さん、今度は「あなたに入りやすいトイレがあるわよ、行っておく?」と声をかけるも、ご主人は「いい、大丈夫」と断る。
そして少し間を置いて、奥さんはベンチから立ち上がると車いすのご主人の前に行き、ご主人の左手に触れてポンポン、とした。白髪のご主人も無表情で座ってる。奥さんは緊急外来の自動ドアをずっと見ている。
2人は何の会話をするでも、見つめるでもなく、ご主人の手をぽんぽんしているだけのこの静かな数分が、2人で一緒に生きてきたのだと物語っているようで、何とも愛おしい光景だった。いいなあ。
吸入のおかげでだいぶ落ち着き、3時間半の手持無沙汰からようやく解放されたのでした。