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歌う以前の想いが本物でこそ

日々徒然

今日から3月。まだまだコートを着ているけど、前のように痛いほど刺すような寒さじゃなくなってきたのを感じます。春は待ち遠しい!

さてミュージックマンデーがあったので記事を書きそびれたのですが、前から「わかったわかった」と言われるほど書いている”米米CLUB”ツアーを観に行って、1曲だけ大号泣だったあの感覚について書こうと思っていたんです。あまりにいい体験だったから!

米米ツアーは、今回実は複数本観に行ったのですが、ほぼ同じセットリストで完成されたステージが繰り返されるその中の、ある日のある1曲だけ—バラードでも、ハードでもない、ややアップテンポの爽やかなポップな曲で、私は大号泣するほど感動したんです。それはここ最近のわりと新しい曲で、「俺たちの想い」という再結成の思いを綴った曲。だから「懐かしいあの頃を思い出してしんみり」とかでもありませんし、実のところCDを聞いても感動するほど印象的ではなかった曲でした。

CDで聞いていたこの曲は、悪く言えば「上手に今まで通りにまとまった」サウンド、言い方変えれば「米米が得意なあの感じ」のサウンドで、とにかくいっぱい詰め込まれて、キラキラといい曲に完成されていた。ゆえに歌詞やメロディー以上に、豪華さが印象に残るような。おまけに、Vocal石井さんは、私がファンとして彼の様々な活動に詳しいからとりわけ好きだし尊敬しているけど、歌声・・とくに近年のビブラート満載の歌は、正直心地よくは思っていませんでした。ところが!

凝ったエンターテインメントなステージの中盤、この日、この曲が演奏された瞬間にピカリ!!と稲妻が落ちる。

それまでの盛り上げよう、感動させてやろうなんて雰囲気仕掛けはない。「米米が得意なあの感じ」のサウンドを、皆が”普通に”演奏し合っている絵を見て、このサウンドが彼らからナチュラルに生まれているものだったんだ!!と思い知る。またその真ん中で歌う石井さんの歌が、この日は何だかとても心がこもっていた。色々な紆余曲折を思い返しながら、ここに集えている温かな喜びが伝わってくる。(何かに感動しているようだったのが伝わってきた)

そんなわけで、思いもよらぬ曲で私は号泣していた。

自分もですが曲を作るとき、ライブをするとき、色々な知恵と計算が少なからず入ります。決してそれが全て悪いことでもないんですが、作り手がいくら上手に雰囲気を作ったところで聞いても感動には導かれない。逆に、歌や演奏にミュージシャンの嘘のない実感ある想いが乗っているとき、サウンド云々は一切関係なくなって、心が震える。ここは好き嫌いの好みを超越するんだなあ。 これを知識でなく実感できる機会があったのは貴重でした!

いくら努力しましたって言われたって、上手に作られた作品には感動しませんよ!いい雰囲気作られたって、脱ぎませんよ!なのだ。笑

難しく作りこまなくていい。いや、何だっていいのかも。本当のことを聞かせて欲しい。本当のことを作品にし、本当の想いでライブをしたい。