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本を捨ててやったんですよ、の話

日々徒然

私が読んで面白かった本として、早川義夫さんの「心が見えてくるまで」をSNSで紹介したら、すぐに「ミムラスさんが言ってた本を買って読んでる、面白い!」とリアクションしてくれた人がいました。私にとっては、早川さんの”もう隠すところはひとつもない”と、言わんばかりの赤裸々で正直な文章が、私自身の隠しておきたい恥ずかしい部分に重なって、勇気がわいてくるような気持ちになったのですが。妻帯者の恋愛(とはいえ、ご夫婦の男女関係は終わっていて、それを相互にオープンに認めている謎の関係)や、下心の話、コンプレックスや、彼女の話など、早川さんの文章はタブーを踏みまくって、それでも心を大切に生きたいという姿勢に共感したのでした。

その「ミムラスさんが言ってた本を」買って読んだというその人(男性)と、先日お話する機会がありました。

私が「早川さんの本を読んだんですって?面白いですよね!」と意気揚々と言うと、それはそれは腰の低い彼は笑顔で「はい!すげー面白かったけど、読み進めるにつれ、僕、ムカついてきて、あの本を最後は捨ててやったんですよ!」と言う。 なんか、鋭いものを感じる私。「僕、結局、あのひとの言い訳みたいに思えてきて・・」と話す彼は、まっすぐこちらを見て話す。
ドキリ。
この本をただ面白く読めてしまった私は、それをどこかで”見ないように”する癖がついてしまっていたかもしれない!と、ハっとした瞬間でした。

彼がムカついたというのは、「結局、大好きな彼女がいながら、夫婦をやめないという部分」だと話していた気がします。これを、本を捨てるほどに本当に腹が立ったという男性がいることに、私は驚いたし、そういう鋭敏さがまぶしくもありました。彼はHONDALADYのファンで、そういえば、HONDALADYの音楽にも通じる男気があるな~なんて感じたり。(私もホンダ、密かにずっとすき)

私個人的にはアルバムで「愛したい」という曲を歌っていて、「ミムちゃん、厳しい!」と言われたりしますが。
違いますよ、私は「浮気禁止!」みたいなことを言いたいんじゃない(ま、「浮気」なんてよくわからない、全部「本気」じゃないの?と思うけど)。人の気持ちが変わるのは自然なんです。だから、本気を本気で選ぶのが良い(選び続けることがいかに難しいか!)、という歌なんです。最近よくあるスキャンダルのニュースを見ながら、気の迷いだったと謝って元鞘に戻るパターンに、な~んだかな~と残念に思うミム子でした。好きな人が好き、はどうにもできないじゃないか。