blog
the extra mile
英語でgo the extra mileという言い回しがあって、「余分なマイルを行く=要求されたこと以上の努力をする」という意味なんだそうです。今日はまさにこのextra mileで仕事をしてくれた会社さんについて書きます。この感動を忘れないうちにね!
「Cassette Store Day」JAPAN支部を務めた会社さんが素晴らしかった、というお話を以前のブログに書きました。
この会社はカセットの海外プレス仲介もしていて、私のアルバム『SQUAME』とコラボシングル『HERE BY YOUR SIDE』のプレスも、この会社にお世話になりました。
仕上がりのクオリティはもちろん、カセットケースが薄紙で包まれてくる丁寧な梱包方法や、送るときの箱のデザインの可愛らしさ、問合せに対する回答の速さ。Cassette Store Dayの開催では、レコード店への作品のプッシュやPOPの手配、イベント来場者への大充実のノベルティプレゼント、参加アーティストへも販促物のフォローまでしてくれて、私は本当に勇気づけらました。
もはや、【カセットテープ制作=良いイメージ】 しかありません。そこで今回私のレーベル、kwaz labelで作るコンピレーションもこの会社で依頼することにしました。
当初のコンピカセット発売予定日は11/25であり、コンピに参加してくれた各地のシンガーにも25日以降のライブで販売してもらうことになっていました。ところがクリスマス商戦前の物流混雑でカナダの空港の税関が混みあっており、「出国が遅れていて、もしかすると発送が12/1か12/2になりそうだ」との連絡がありました。しかし、12月第1週の週末は参加アーティストのライブが重なっていたので、私は担当者に連絡して、会社のオフィスから直接アーティストのライブ会場へ指定本数を送って貰えるようお願いしました。
すると「内藤さんも名古屋でライブなんですよね?・・・そしたら名古屋に納品に行きましょうか?」と担当のEさん。「・・・・え!!!それは、交通費が高くて申し訳なさすぎます・・・」と断るも「いや、僕も遊びに行くというか、ライブも観たいので」とEさん!こんなことまで言えるメーカーさんが他にいますか?
とりあえず一旦電話を切って、お互いに良い方法は他にないかと考えてみることにしました。
結局、私が今日オフィスへお邪魔し、各アーティストへの同梱する納品物(フライヤーやCDR、請求書など)と住所のリストを預け→ 会社から各ライブ会場へ送ってもらう、ということで落ち着きました。しかしそれにしたって送り先が6か所もあるから大変。おまけに、カセットケースの中に入れる「歌詞カード」だって、入れ込み作業を会社の人に頼まないといけないのです。結構な作業をお願いしちゃうなぁ・・・
そして今日、初めて訪問したこの会社のオフィス。中に通してもらうと、担当のEさんは外出中だったのですが、別のIさんという方が「Eさんから聞いています」とコーヒーを淹れて迎えてくれました。
「内藤さん、カセットストアデイの参加、ありがとうございました!いつもご利用ありがとうございます」とIさん。覚えててくれたんだ!
早速、発送物の確認をしていると、「ケースの中に入れる歌詞カードの向きは、どっち向きがいいですか?」とIさん。私は「外側から見えないし、気にすることを増やしちゃうから、どちら向きでもいいですよ」と言うと、「いや、カッコいいほうがいいので、じゃ、タイトルが見えるように入れますね」とIさん。私の遠慮を制し、本当に気遣うべきはこれを手に取るリスナーさんであることを譲らなかったIさん。
私が「Iさん、すみません、何かメモ紙頂けますか?」と聞くと、自分の手帳の1ページを定規で切り取ってくれたIさん。(雑さがひとつもない)
ふとオフィスのショールームに目をやると、私の『SQUAME』のカセットテープも見本として展示されていました。
「Iさん、あの、前から思っていたんですが、御社のカセットストアデイの対応、私はすごく感動していたんです!ここまで意欲的にやっていると思っていなくて・・・」思わず、思いのたけをIさんに話してみました。イベントの配布物や、POP、箱まで、全てのセンスに「いいね」ボタンを1000回は押したいくらいの対応だったということを興奮気味に話すと、Iさんはとても喜びながら「僕らは、ぶっちゃけ、プレスをウチでやって貰うことが目標じゃないんです。カセットやアナログ盤の良さが世の中の人たちに理解されればよくて。そう思ってなきゃ、やってられない仕事なのかもしれませんね」と答えてくれました。・・・まぶしすぎる!
帰り際には、「カセットストアデイを褒めてくれたのが嬉しかったので、内藤さんにお土産あげたいんですけど、何かあるかな・・・」とオフィスをごそごそしながら、初音ミクの公式ステッカーをもう1枚くださいました(既に1枚持っているけど)。こうしてオフィスを後にしたのでした。
ここまで心を込めてやってくれる会社さんはそうそうありますまい。しかも、何かをしてくれたらお返しする「後出しジャンケン」ではなくて、先に尽くして見せる。それも無意識的に。好きでやっているから、こうなるんだよな。担当の人のちょっとした対応にも、「ま、いいか」的な雑さが見当たらなかったのが印象的でした。
気付けば、私はすっかりこの会社のファンになっていました。私もがんばろう:)