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お金のエピソード
先日、用事でタクシーに乗ったときのこと。運転手さんは中年の女性で、小柄な感じだった。
目的地を告げ、乗ってすぐの大通りで運転手さんが「やだわ、私ね!ごめんなさい止まります」と言う。そして後ろを振り返ると、白バイがピッタリ。あわわ、うっかり車線変更の違反をしちゃったみたい。
メーターを止め、すぐさま、警官が運転席に来て、免許証を求め、切符を切る説明をしています。お客の私には「待たせてごめんなさいね」と二方向からお詫びを言われたものの、運転手さんは1点引かれ、6000円の罰金振込用紙を受け取らされていたのが、かわいそうだなーと思いながら見ていました。運転手さん、リウマチかな?短い指が曲がっていて、それを見せながら「障害者なのだけど、見逃して貰えませんか?」と、交渉するも、そうは行きません。淡々と手続きは進み、ようやく白バイから開放されました。
やっと業務に戻れた運転手さん、お客の私がいるから、あまり怒りも表現できません。それでも「6000円はキツいよねぇ~、、はぁ。。今日はこれで終わりにして帰りたいなぁ。・・・でも、お仕事頑張ろう、私が悪いから仕方ないよね。・・・けど、高すぎるよね、6000円は・・・はぁ」と、隠しきれないガッカリ感。
「ホントですねぇ、さっきの通り、ちょっとわかりにくいですもんね、6000円は可哀想すぎますね」私も(ていうか殆どの人がきっと)、その気持ちわかるから愚痴、付き合いましょう!
目的地まで、それでもほんの少しの愚痴だけこぼし、あとは運転手さんの娘さんの話や、タクシー会社事情などの話を聞きました。
私は、特段生活がリッチなわけではないし、むしろ質素な方ですが、1500円くらいの乗車で2000円を出し、お釣りはカンパしますよ、と言おうと思っていた。こんな日のドンヨリ感、すごいわかるもん!
しかし、到着すると運転手さんが先に「これ・・・待たせちゃって悪かったから、コーヒーでも飲んでね」と200円を私にくれました。すかさず、私は「え!いやいや、実は、私もお釣り、カンパしようと思っていたんですけど・・・」と言うも、運転手さん、「いいのよ、ありがとう!」と言って、お会計通りのお釣りを持たせてくれました。
結局、6000円の罰金を払わねばならないことに凹んでいた運転手さんは、私にコーヒー代ね、と200円を自腹で持たせてくれたわけです。
私はこの気遣いの200円が、凄く嬉しかったし、逆に「お釣りをカンパ」してても、それはそれで嬉しかったと思います。多分、どちらのパターンであっても、運転手さんと私の両者が嬉しかったことでしょう。
こういうとき「お金っていいな」と思う、小さなエピソードでした。